顔面けいれん/三叉神経痛
当院での取り組み
顔面けいれん/三叉神経痛はともに生命に関わるものではありませんが、患者さんにとって生活の質を落とす病気です。特に三叉神経痛は患者さん本人にしか分からない、非常に激しい痛みを伴うことがあります。それぞれ何通りかの治療法があり、患者さんと相談しながら最適な治療を選択します。根治治療としての手術治療では、低侵襲、短時間手術を実践しております。術中、感覚や運動の神経を刺激するモニタリング(聴性脳幹反応、異常筋電図、体性感覚誘発電位、運動誘発電位)を行うことによって、より安全確実な手術を行っています。
顔面けいれんとは
脳血管などが顔面神経(顔を動かす働きがあります)を圧迫することによって片側の顔がけいれんを起こす病気です。初めは目元がたまにピクつく程度ですが、進行すると口元まで広がることや、目が開けられないくらい強いけいれんが起こることがあります。
顔面けいれんの治療法
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1)
内科治療:精神安定剤や抗けいれん薬を使います。効果は限定的なことが多いです。
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2)
ボツリヌス毒素注射:けいれんしている顔面の筋肉へボツリヌス毒素注射して一時的に筋肉を麻痺させることによってけいれんを止める治療です。治療効果は3ヶ月くらいです。
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3)
手術治療:病気を完治させる根治治療です。耳の後方に直径3cm程度の骨を開けて、手術用顕微鏡を用いて原因となっている神経への血管などの圧迫を取り除きます。開頭術に伴うリスクがある一方で90%の患者さんの症状が改善します。
三叉神経痛とは
脳血管などが三叉神経(顔の皮膚の感覚などを担う神経です)を圧迫することによって顔の痛み引き起こす病気です。通常痛みは片側で、歯磨きや食事などをきっかけに突発的に激痛が走ります。
三叉神経痛の治療法
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1)
内科治療:抗けいれん薬などを用います。一定の治療効果がある一方、副作用としてふらつきや眠気があります。
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2)
神経ブロック:三叉神経に直接針を刺し、麻酔薬注射などを行います。神経が損傷されることによってしびれや痛みが残ることがあります。
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3)
ガンマナイフ:三叉神経に高線量の放射線を照射させます。神経が損傷されることによってしびれや痛みが残ることがあります。
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4)
手術治療:病気を完治させる根治治療です。耳の後方に直径3cm程度の骨を開けて、手術用顕微鏡を用いて原因となっている神経への血管などの圧迫を取り除きます。開頭術に伴うリスクがある一方で90%の患者さんの症状が改善します。